ぶらっとサロン椿通信 第37号

ぶらっとサロン椿通信 第37号

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侘助(わびすけ)ツバキと侘芯(わびしん)
侘芯とは 椿の雄しべの呼び名で 雄しべの葯(やく=花粉袋)が 退化・変形したものをいい 太郎冠者(たろうかじゃ 別名:有楽(うらく))の実生(みしょう)と ヤブツバキや ユキツバキなど 一重(ひとえ)の花の突然変異(枝変わり)からできる。このような侘芯変化が起こると 同時に花は小さくなり 花期が早くなって 春咲きが 秋~冬咲きになる。古くからある『胡蝶侘助(こちょうわびすけ)』『白侘助(しろわびすけ)』『数寄屋(すきや)』などのワビスケ類は いずれも侘芯で 同じような小輪化と早咲き性を身につけており 太郎冠者起源の品種と推察している。従って ワビスケツバキは「侘芯ツバキの一群を指す」という考え方に妥当性があり 支持されている。(淡交社刊『新装版日本の椿花1000種』横山三郎 桐野秋豊共著より)

12月に入り 侘助ツバキが 次々と咲き始めました。(写真はいずれも12月11日以降に撮影したものです)
①『一子侘助』(いちこわびすけ/侘芯ツバキの第1号 ヤブツバキの突然変異種 花弁の紅色と花芯の白色の対比が美しい) ②『白侘助』(しろわびすけ/1789年「諸色花形帖」に記載される 侘芯の極小輪 不稔(※1) 茶席の花として最も人気が高い) ③『柳葉侘助』(やなぎばわびすけ/太郎冠者によく似ておりその実生関係を思わせる/別名 昭和侘助(しょうわわびすけ) 初雁(はつかり ) 雪中花(せっちゅうか) 数寄屋侘助(すきやわびすけ)) ④『姫侘助』(ひめわびすけ/淡桃色地に従来みられない紅色の縦絞りや小絞りが入る 昭和49年愛知県海部(あま)郡で発見) (※1)不稔とは 花が受精しても発芽・生育するような種子を作らないことをいう。

①一子侘助 ②白侘助 ③柳葉侘助 ④姫侘助

早いお宅の庭先には 開花しているのを目にすることもありますが 我が家の『太郎冠者』(花色は紫を帯びる為に高貴な花として江戸期から茶席に重宝された 別名:有楽) とか『胡蝶侘助』『黒侘助』(くろわびすけ/別名:永楽(えいらく)) 『紅侘助』(べにわびすけ) の開花は もう少し先のようです。
今号では 前号に続き『自然実生から生まれた品種③』をご案内します。(有楽斎)