つらつら椿花日記(2025年4月号外)

つらつら椿花日記(2025年4月号外)

2025年4月21日つらつら椿外苑(集会所前斜面)に、新種椿『西方尼寺桂子椿』と『啓子椿』の2本を植樹しました。(写真:『西方尼寺桂子椿』2枚、『啓子椿』1枚=名札なし)

京都北野上七軒の西方尼寺に千利休ゆかりの五色散椿の大木があります。(一般公開されていません。ネット上にも写真等の掲載は確認できません)五色散椿は白地に紅縦絞りが基本色で、白、紅、桃色、白覆輪などに咲き分けます。抱え性の八重咲きで、散性があり筒~割りしべの中~大輪の花です。

※五色散椿(五色八重散椿ともいいます)
京都では北区大将軍の地蔵院(通称椿寺)の五色散椿が有名です。これは加藤清正が朝鮮から持ち帰ったという伝承の銘木だったが、現在はそれが枯れて2代目だそうです。北野上七軒の西方尼寺にも千利休ゆかりの五色散椿の大木があります。さらに上賀茂柊野の民家にも立派な散椿があり、この3本が京都の「五色散椿」三銘木とされています。

さて、平成8年(1996年)に、桂子さんの祖母が西方尼寺でお茶のご指導をされていた関係で同寺の五色散椿の大木の根元近くに伸びた脇芽(蘖(ひこばえ))を譲り受け、永年に渡り愛情を込めて育ててきた椿が2022年に初めて花を付けましたが、親樹の五色散椿とは異なる花を付けています。この由緒ある貴重品種に、『西方尼寺桂子椿』(さいほうにじけいこつばき)と命名して移植をしました。(写真:左より2022年の初開花時、2024年の様子3枚)

同椿にも根元近くに伸びた脇芽(蘖(ひこばえ))があり、この子椿をご友人のケイちゃんさんに因んで『啓子椿』と命名して移植しています。西方尼寺の五色散椿の孫に当たります。(この項:つらつら椿外苑管理人有楽斎)