キジョラン(鬼女蘭)とアサギマダラ

キジョラン(鬼女蘭)とアサギマダラ

11月25日『おのえき花の会』の皆さんの指導及びご協力で、小野小学校の児童22名が、フジバカマの苗木約150本を、小学校の中庭花壇に植えました。

同時に、『おのえき花の会』の皆さんが『鬼女蘭(きじょらん)』(写真)を移植しました。そのキジョランについて(「キジョランとアサギマダラ」pdf)……。

夏から秋に咲く花は1㌢にも満たないような小さいものです。この花が結実して熟すのは次の年の秋になります。15㌢はあるような大きな果実は、中に多数の種子を含み、一年をかけて熟します。

種子には種髪(しゅはつ)と呼ばれる長くて銀色に輝く毛をつけています。果実から飛び出す時には銀色の毛が開き、風に乗って旅立ちます。この種髪の姿を、髪を振り乱した鬼女に喩えた名前と言われています。種子が着地すると、この毛はすぐに脱落して、種子の定着の邪魔をしないようになっています。

大きなハート型の葉は、長距離を移動することで知られる蝶、アサギマダラの幼虫の食草として知られています。常緑で大きく分厚いキジョランの葉の裏で、アサギマダラの幼虫は越冬します。

キジョランは毒性の強いアルカロイドを含む有毒植物です。アサギマダラの幼虫はこの葉を食べることで、体内にアルカロイドを取り込むことで自らを有毒化して、外敵から自らを守っていると言われています。

葉に丸い穴が開いていれば、幼虫の食べた跡です。葉の裏に幼虫が隠れているかもしれません。(《森の植物の歳時記》公益財団法人ニッセイ緑の財団ほかより)
(この項:井上)