初冠雪と小野駅前花壇のフジバカマ(藤袴)を小野小にも

初冠雪と小野駅前花壇のフジバカマ(藤袴)を小野小にも

今朝は、今季一番の冷え込みとなり、比良山系に初冠雪が観察されました(写真)。

ご存じの方も多いかと思いますが、小野駅前バスターミナルに隣接する『アサギマダラの丘』にフジバカマが植えられています。夏の終わりに、アサギマダラが羽を休めに訪れる……そんな光景を楽しみに、2023年5月に発足した「おのえき花の会」が植栽したものです。
飛来したアサギマダラの写真撮影等に際しては、当場所はバスの発着、JR小野駅の送迎など交通量が多い為、安全面に十分に注意してほしいとのことです(写真)。

11月19日午後2時から、小野小学校にもフジバカマを植栽してアサギマダラを呼ぼう!!と、「おのえき花の会」のメンバー5人が中心となって、中庭の花壇作りに臨みました。事前に花の会のメンバーによって4畦が準備されていました。土壌改良のため「活性パーク堆肥」を混ぜ込んで2条4畦が完成です。来る11月25日に小野小在校生全103名の内希望者によるフジバカマの種蒔きが予定されています。
また、フジバカマ用の花壇を増設するために、隣に花壇用地を開墾し、3時過ぎ道具を洗って終了しました。(写真)

参考資料
➀フジバカマ(NHK出版:みんなの趣味の園芸より)
・学名:Eupatorium japonicum(Eupatorium
fortunei)・和名:フジバカマ(藤袴)・その他の名前:アララギ、香草(こうそう)、蘭草(らんそう)・科名
/ 属名:キク科 / ヒヨドリバナ属

フジバカマは「秋の七草」の一つで、万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。夏の終わりから秋の初め、茎の先端に直径5mmほどの小さな花を、長さ10cm前後の房状に多数咲かせます。川沿いの湿った草原やまばらな林に見られ、まっすぐに伸びる茎に、3裂する葉が対になってつきます。地下茎が大量に伸びて猛烈な勢いで広がるため、自生地では密生した群落になるのが普通ですが、現在の日本には自生に適した環境が少なくなったため激減し、絶滅危惧種となっています。フジバカマの名で市販されているものの多くは、サワフジバカマ(フジバカマとサワヒヨドリの雑種)です。
生乾きの茎葉にクマリンの香り(桜餅の葉の香り)があり、中国では古く芳香剤として利用されました。また、『論語』にある「蘭」はフジバカマを指します。しかし後世、蘭がシナシュンランなど花に香りのある温帯性シンビジウム属の種を指すようになったため、現在の中国では、フジバカマは「蘭草」とされています。

②源氏物語 30帖
藤袴:あらすじ(高千穂大名誉教授・渋谷栄一氏の『源氏物語の世界』より)
・光源氏37歳の秋八月から九月の物語。
大宮(おおみや)が亡くなり、尚侍(ないしのかみ/しょうじ)に任命された玉鬘(たまかずら)は孫として喪に服しながら、出仕を思い悩んでいた。そこへ夕霧が父光源氏の使いで訪れ、従兄弟の縁に事寄せ藤袴の花を差し出しつつ、秘めていた想いを訴えたが、玉鬘は取り合わない。源氏のところに戻った夕霧は、「内大臣(ないだいじん)様が内々におっしゃったそうですが、「世間では源氏の大臣が、玉鬘を側室の一人にするつもりだと噂している」との事…」と言って、その真意を鋭く追及した。夕霧の追及をかわした源氏。内大臣〔かつての頭中将(とうのちゅうじょう)〕の勘の鋭さに、内心冷や冷やする。
喪が明けて、玉鬘の出仕は10月に決定した。求婚者たちからは諦めきれない文が届き、文をより分ける女房たちは「悲しいお文ばかり」と話す。とりわけ髭黒(ひげくろ)や蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)〔源氏の異母弟〕は熱心だった。玉鬘はその中で、蛍兵部卿宮だけに返事を送った。

③アサギマダラ(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
浅葱斑(学名:Parantica
sita)は、チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されるチョウの1種。翅の模様が鮮やかな大型のチョウで、長距離を移動する。
移動
アサギマダラの成虫は長年のマーキング調査で、秋に日本本土から南西諸島・台湾への渡り個体が多く発見され、または少数だが初夏から夏にその逆のコースで北上している個体が発見されている。日本本土の太平洋沿岸の暖地や中四国・九州では幼虫越冬するので、春から初夏に本州で観察される個体の多くは本土で羽化した個体と推測される。秋の南下では直線距離1,500
km以上移動した個体や、1日あたり200
km以上の距離を移動した個体も確認されている。(以下略)

④藤袴のお香(これは商品の宣伝ではありません。お香の原材料としての一例です。念のため)
藤袴は秋の七草の一つ。
淡い紅紫色の小さな花が茎の先に集まるように咲くことが特徴です
近年、その数は減少し続け、今では貴重な植物となりました。
「藤袴のお香」は、京都市右京区水尾地区の皆さんが栽培されている藤袴の葉を、
原料の一つとして使用しています。
地植えの藤袴は、そのままにしていると私たちの背丈を超えてしまうため、
水尾の皆さんが梅雨の時期に一度剪定をされ、開花時期と花の背丈を調整します。
藤袴の葉は干して乾燥させると心地良い香りがしてきます。
私たちは、この魅力ある香りをお香で伝えるため、
その剪定時に刈り取られた葉をいただき、漢薬香料と配合してお香をつくっています。(香老舗松栄堂HPより)
(この項:井上)